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私の考え

Ⅰ 話すことは、人間生活の最も基本的能力
  誰でも、人と人との関わりのなかで生きています。その関わりは話すことで

 保たれていると考えます。どんな話し方をしているかがその関わりを左右しま

 す。夫婦、親子の会話がその家の幸せのバロメーターでしょう。「はやく、食

 べなさい」「TVを消しなさい」などと命令口調ばかりの親は、決してよい親

 子関係ではないと思います。夫婦の会話でも妻「おいしい?」 夫「うん!」

 (わたしのこと!?)では、明るい家庭とは言えませんね。「まずけりゃ、食

 べないよ」などでは最悪です。こんな夫婦は長くもっても定年離婚でしょう。

 社会に出ても、話し方によって親しくなれたり、なれなかったりするものです

 し、信用されたり、されなかったりしてしまうものでしょう。


 1 どんな人でも話すことによって生きている
 2 話すことで人間関係をつくり、深めることができる
 3 人間の能力評価は話し方に左右される

Ⅱ 話はコトバだけではない</STRONG></H4>
  話というとコトバ使いの問題としか考えない人が多いようですが、どういう

 声で、どういう立ち居振舞いで話しているかによって聞き手は評価しているも

 のです。聞き手は耳だけで聞いているのではありません。

  目も重要な働きをしています。「話すという行為は、コトバを声にのせ、か

 らだ全体で表現されたもの」と考えます。

Ⅲ 話の成立
  話し手がいくら熱意をもって、わかりやすいように努力をして話したとして

 も聞いてくれるとは限りません。聞き手に聞く意志がなかったら、“馬の耳に念

 仏”でしょう。聞く気になってもらう努力が必要です。双方の努力があって、は

 じめて、話となると考えます。

 

 1 話し手の努力

  ① 聞いてもらう努力       ② わかってもらう努力

 2 聞き手の努力
  ① わかろうとする努力      ② 話し手に話す気にさせる努力

Ⅳ 心理変化
  理路整然と正しい日本語といわれる「文」で、正しい「音」を使ったコトバ

 で話しても、効果があがる話し方とは限りません。相手の心のありようが話の

 効果を左右します。話し手に対して反感をもたれたり、軽蔑されたり、嫌われ

 たら、最後、その時点で耳をふさがれてしまいます。常に、聞き手には好感を

 もたれるように努める必要があると考えます。そのためには、人に好かれる努

 力が求められるでしょう。

Ⅴ 聞き手の決定権
  商店の人がいくらよい商品だと進めても、買う買わないを含めて評価するの

 は、買い手です。同じように他の人にとってよい話でも、聞き手、その人にと

 ってよい話であるか、聞く、聞かないを決めるのは聞き手です。また、話し手

 の意図とは関係なく自分勝手な判断をしてしまうことも少なくありません。

Ⅵ コトバについて
 「人はコトバを獲得することによって人間になる」のですね。もし、人間がコ

 トバを使えなかったら 他の動物と変らなくなってしまうでしょう。コトバが

 使えるから過去のことも、未来のことも伝え合うことできます。わたしたちは

 コトバの働きは次の三つだと考えます。
  ◎ コトバでものごとを捉えます。(コトバがあるから認識できる)
  ◎ コトバで考える。(コトバがなかったら、それこそ真っ白)
  ◎ コトバで伝える
 

Ⅶ 言い方の原則 (発言の仕方) 
  わたし達は、ものを言うとき、話しかけるとき、どんなことに注意して言え

 ばよいのでしょうか。ただ心のまま、発言している人が多いようです。楽しい

 場、くつろいでいる場ならそれでもいいのでしょうが、日常生活の中で、常

 に、意識したいことがあります。それが「言い方の原則」です。
 1 肯定的な心で言う

   相手の存在、考え、感じ方すべてを肯定することです。

 2   わかるように言う
      相手にわかるコトバで、相手にわかる表現をする。
 3 心を開いて言う
    打ち解けた、フンイキをつくるよう心がけましょう。</p>
   相手に心を閉ざされてしまったら、耳をふさがれたのと同じことですね。

 

Ⅷ 聞き手を考える

  話をするとき、かならず相手がいることは誰でも認めることでしょうが、相

 手が今、どのような状況にいるのか、内容について知識があるのか、興味がど

 うかなど細心の気配りをしながら、話す人は少ないようです。特に親しい人や

 家族、また部下などに話すときには、「聞くはずだ」、「聞くもんだ」、「聞

 くべきだ」などと思い自分勝手に話すことが多いのではないでしょうか。この

 ような思いが誤解や不和の原因になっていることを見逃していないでしょう

 か。話すときの相手とは「自分とは違う人」ということを忘れないことが大事

 だと考えます。親子でも、夫婦でも心の内が全部分かる人は少ないはずです。

 相手の反応をよく見ながら話すことをお勧めします。

Ⅸ 話力について
  話すことよって、他人を幸せな気持ちにさせたり、助けを得たりすることが

 できることは否定できない事実だと考えます。そのことを「話力」と呼んでい

 ます。国語学者はどう考えているのでしょう。国語辞書に「話力」というコト

 バは見当たりません。「光力」「波力」は当たり前かもしれませんが「棋力」

 というコトバさえ辞書にあります。
  話す力、話力はテクニックだけではありません。それだけで「力」を発揮でき

 たとしても、継続的な力とはならないでしょう。話力の要素は次の3点です。

 1 誠実であること 

 2 熱意があること   

 3 技能を発揮できること

 これらが相俟って「力」となるのでしょう。

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